小学校受験の対策を始めるとすぐに「巧緻性(こうちせい)」という言葉に触れると思います。
巧緻性とは、手先や指先を上手に使う力のこと。
巧緻性を養うことによって得られる利点はたくさんあります。
- 手先が器用になる
- 物事に積極的に取り組むことができるようになる
- 集中力がつく
- 根気強さが身に付く
簡単に挙げてもこれだけの利点があります。
小学校受験では、巧緻性の課題を出題することによって上記の力が身についているかチェックします。
この記事はこんな人におすすめ
- 小学校受験の対策を始めようと思うけど何からやったら良いかわからない人
- 志望校では出題されないけど、練習しないといけないの?と思っている人
- 小学校受験はまだ先だけど準備を始めたいと思っている人
巧緻性を高めるために家庭でできること
巧緻性を高める練習は家庭でもできます。
巧緻性を養うのに良い課題
- 紙を切る・ちぎる・折る
- 紐を結ぶ・通す
- お弁当を包む(風呂敷包み)
- 衣服の着脱
- 箸の使い方
志望校はお弁当の試験は出ないから、箸の持ち方はチェックされないわ。
そんなに気にしなくてもいいかな。
それは違うぞ。
蝶結び・箸の使い方・衣服の着脱は巧緻性を養うのに良い課題なんだ。
それに、箸を正しく持つことができていない人を見ると不快に思う人もいたり、「親のしつけが行き届いていない」と思う人もいるからな
そうなんだ!大人になってからも見られるから気にしないといけないのね
志望校で箸の持ち方や使い方、食べ方をチェックされる試験がないからと言って、できなくても良いわけではありません。
蝶結びにしても同じです。就学前までに身に着けておかないといけないことは、身に着けておきましょう。
- 巧緻性の基本の課題を読みたい方は以下の記事がおすすめ
巧緻性の基礎!衣服の着脱・ビーズ通しは年中の夏には完璧に!【小学校受験】
蝶結び:小学校受験の基本中の基本
蝶結びのねらい
蝶結びは、日常的な「生活力」を見る問題です。
今回は蝶結びを紹介しますが、ものの結び方には以下のようなものがあります。
- 片結び
- 蝶結び
- 風呂敷包み(お弁当包み)
これらの結び方は練習をしないとできるようにはなりません。
逆に言うと、練習を繰り返すことによってできるようになります。
運動考査で着替える場合、脱いだ服を風呂敷包まないといけない場合もあります。
この結び方の中でも「蝶結び」は右手・左手がそれぞれ違う動きをしなければならないため、両手を同じように使うことの多い幼児にとっては難問になるかもしれませんね。
先生のお手本と同じように「結ぶことができる」かどうかが評価のポイントになります。
習慣がついていれば簡単にこなせる課題。
「蝶結び」は幼稚園や小学校生活のさまざまな場面に登場する。
結ぶひもの「長さや太さ」や結ぶ対象の「形(筒状・箱・凹凸)」を変えたりするなど、条件に工夫を加えた練習も効果的。
最終的にはエプロンの紐を後ろ手で結べるようになるのが目標ですね
蝶結びの課題
ひもで蝶結びをしましょう。(制限時間30秒)
蝶結びの息子の評価
一度失敗してやり直したので時間はかかりました(42秒)が、上手にできました。
おすすめの教材
箸の使い方:大人になってからも見られる
箸の使い方のねらい
箸の持ち方と使い方を見る課題も手先の巧緻性を確認するものです。
指先を使った細かな動きは、食事の場面だけでなく、「鉛筆の正しい持ち方」にもつながります。
外食した時に、隣のテーブルに座っているお客さんの箸の持ち方が気になったことありませんか?
わかる!小学生くらいの子だけでなく、大人でも正しく持つことができていない人が多いよね
箸が正しく持つことができなければ、小学校受験の時に困るだけではありません。
大人になっても箸の持ち方は見られているかもしれないので気をつけたいですね。
箸の使い方をマスターする時のポイント
- お子さんに合うサイズの箸を持つこと
- 普段の生活からスプーンやフォークではなく箸を使うようにする
- 家庭でも箸で豆などをつかんで他の容器にうつす練習をする
箸の使い方の課題
箸を使って右(左)のお皿から左(右)のお皿へ積み木を移していきましょう。(60秒)
箸の息子の評価
箸の持ち方 | 正しく持てていますが、上手く使えません |
積み木の移動 | 15個の積み木を動かせました |
正しく持つことはできていますが、箸先を上手く閉じたり開いたりできません。
おすすめの箸
衣服の着脱:自分のことを自分でしているかのチェック
衣服の着脱のねらい
小学校受験の準備を始めたら、「自分のことは自分で」を心掛けましょう。
スモックの着脱の課題は、まさに「自分のことは自分で」しているかのチェックと言えます。
この課題は、スモックの着脱だけでなく、スモックを畳むことも含めてできているかを見ます。
幼稚園や保育園でも服を畳むことはあるでしょう。
しかし、声掛けのみで具体的にきれいに畳むことができるように指導はしてくれません。
衣服を着たり脱いだりするだけでなく、畳むことは家庭でしつけをすべきことです。
そして、身に付くには時間がかかる課題でもあります。
日常的に家庭内でも洗濯物を畳むなどのお手伝いを通して、衣服を畳む習慣をつけていきましょう。
「お手伝いをしていますか?」という質問は面接や口頭試問でよく聞かれるから、お手伝いと同時に巧緻性を養えるので洗濯物を畳んでもらうのはおススメです
スモックの着脱の課題
ハンガーに掛けてあるスモックを外して着ましょう。ボタンを留めたら脱いでいつものように畳みましょう。(120秒)
スモック着脱の息子の評価
スモックの着方 | 自分で着る習慣がついているようです |
スモックの脱ぎ方 | 自分で脱ぐ習慣がついているようです |
スモックの畳み方 | 自分で畳む習慣がついているようです |
早く丁寧にできました。
まとめ
子どもだからできないと決めつけて親が代わりにやってあげていると、成長のチャンスを失ってしまいます。
息子は小学生の頃、スイミングを習っていました。
授業が終わった後に着替える時、ほとんどのお子さんがお父さんやお母さんに着替えを手伝ってもらっていました。
ひどい子は、立ったままで、全て着せてもらっていました。
これが幼稚園の年少さんならわからなくもないですが、小学生だから驚きます。
もし、息子が小学校受験を経験していなかったら、私も同じようになっていたのかもしれません。
小学校受験は、「自分のことは自分でする」が基本です。
小学校受験の対策を始めて初めに練習する、蝶結び、箸の使い方、衣服の着脱を紹介しました。
蝶結びの練習教材は自宅でも作ることができるので、チャレンジしてみるのも良いですね。
最終的には、エプロンを後ろ手で結ぶことができるようにしましょう。(年中、年長になっても構いません)
箸の使い方は、小学校受験で出題されなくても正しく持つことができるようにしたいですね。
大人になっても箸の持ち方、使い方は見られることを忘れないでください。
衣服の着脱だけの課題は、小学校受験では出題されないでしょう。
しかし、「自分のことは自分でする」が身についているかどうかを見るのには良い課題です。
小学校受験を始めたら、「自分のことは自分で」を意識しましょう。
出題されるとしたら、衣服の着脱+畳む までがセットで出題されるでしょう。
巧緻性と言葉だけ聞くと難しそうですが、全部家庭で習慣付けてあげることによって身に付くことばかりです。
嫌だ!
と言って拒否されることもあるかもしれませんね。
親御さんは根気が必要になってきます。
小学校受験の対策を始めると周りが見えなくなってしまう方もいらっしゃいます。
たまに、「今自分がやっていることは、子どもにとって必要なことか?」と自問自答する時間も必要です。